事業用不動産の売却で「業者と結ぶ媒介契約」を売主が理解する重要性

QUICK ANSWER ─ この記事が答える問い

媒介契約の中身を理解しないまま売却を進めると、事業用不動産の売主には何が起こり得るのでしょうか。

媒介契約は、売却活動の範囲・報告の頻度・報酬の上限・途中でやめたときの負担までを決める土台です。宅地建物取引業法は書面交付や契約期間の上限などを業者側の義務として定めていますが、その枠の中で条件をどう詰めるかは売主の理解度に左右される傾向があります。とくに事業用不動産はテナントや賃貸借契約の状況が絡むため、締結前に内容を確認し、税理士や弁護士など専門家の助言を得ておくことが目安となります。

区分店舗や区分事務所、店舗付き住宅、築古のテナントビルを売りに出すとき、売主が最初に向き合う書類が媒介契約書です。ところが実務では価格の話が中心になり、契約書は「決まった形式のもの」として短時間で署名されてしまうことも少なくありません。

しかし媒介契約は、その後の数ヶ月間、誰がどこまで動き、売主が何をしてはいけないのか、途中でやめた場合に何を負担するのかを定める契約です。価格そのものより、価格に至るプロセスを規定する文書と考えたほうが実態に近いといえます。

この記事では、宅地建物取引業法と国土交通省の告示をもとに、事業用不動産の売主が媒介契約で押さえておきたい論点を整理します。制度や数値は2026年9月時点の内容であり、個別の判断は税理士・弁護士などの専門家への相談を前提としてお読みください。

媒介契約とは何か──宅建業法が売主のために定めた枠組み

ポイントは3個:
① 媒介契約を結んだ業者には、遅滞なく書面を作成して交付する法律上の義務がある
② 記載すべき事項は法律で列挙されており、報酬・有効期間・解除・レインズ登録が含まれる
③ 国土交通省が定めた「標準媒介契約約款」が実務上の基準として存在する

書面の交付は「サービス」ではなく法律上の義務

宅地建物取引業者は、売買・交換の媒介契約を締結したときは、遅滞なく法定事項を記載した書面を作成して記名し、依頼者に交付しなければならないとされています。記載事項には、物件を特定する表示、売買すべき価額または評価額、他の業者に重ねて依頼できるかどうか、有効期間および解除に関する事項、指定流通機構への登録に関する事項、報酬に関する事項などが含まれます。(出典:宅地建物取引業法第34条の2/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」)

つまり、口頭で「では預かります」と言われただけの状態は、法が想定する形ではありません。書面が出てこない、空欄が多いまま署名を求められるといった状況は、立ち止まる材料になり得ます。契約書の効力について弁護士に確認しておくと交渉の土台が固まります。

「標準媒介契約約款」という共通の物差し

国土交通省は、媒介契約の標準的な条項として「標準媒介契約約款」を告示しています。専任・専属専任・一般の3型式それぞれに契約書のひな形と約款条文が定められ、業者が使う契約書が標準約款に基づくものかどうかは契約書に記載されます。(出典:国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」平成2年建設省告示第115号/最終改正 令和6年1月24日国土交通省告示第34号)

この約款には、依頼者に不利な特約は無効とする趣旨の条項が置かれています。標準約款に基づかない契約書を示された場合、どこが違うのかを読み比べるだけでも得られる情報は変わります。解釈に不安が残るときは弁護士に目を通してもらう方法も一般的です。

3種類の媒介契約──違いは「拘束の強さ」と「業者の義務」の交換

ポイントは3個:
① 専任・専属専任の有効期間は3ヶ月を超えることができない
② 拘束が強い契約ほど、業者側のレインズ登録期限と報告頻度も厳しくなる
③ 一般媒介ではレインズ登録も定期報告も法律上の義務としては課されていない

3類型の比較

項目 専属専任媒介 専任媒介 一般媒介
他社への重ねての依頼 できない できない できる
自ら見つけた相手との契約 できない できる できる
有効期間の上限 3ヶ月 3ヶ月 標準約款では3ヶ月以内
レインズへの登録期限 締結日の翌日から5日以内 締結日の翌日から7日以内 登録する場合に契約書へ記載
業務処理状況の報告 1週間に1回以上 2週間に1回以上 法定の頻度の定めなし

(出典:宅地建物取引業法第34条の2、同法施行規則第15条の10/e-Gov法令検索「宅地建物取引業法施行規則」、および前掲の標準媒介契約約款。登録期限の日数に業者の休業日は含まれません。2026年9月時点の情報です。)

事業用不動産では「どれが正解」と言い切りにくい

一般媒介は複数社に依頼できる反面、レインズ登録や定期報告が法的義務とされていないため、動きが見えにくくなる傾向があります。専任型は情報が集約されやすい一方、期間中は他社に依頼できません。事業用では買主が投資家・事業会社・自己使用希望者と分かれ、想定する買い手の層で適した進め方が変わるため、一律に有利不利は決められません。税負担の見通しも判断材料になるため、早めに税理士へ相談し手取り額のイメージを持って選ぶ流れが目安です。

事業用不動産だからこそ媒介契約で詰めておきたい論点

ポイントは4個:
① レインズ登録を証する書面の交付は業者の義務であり、登録の事実を売主が確認できる
② 報告は「頻度」だけでなく「何を報告するか」を事前に擦り合わせておく
③ 価額について意見を述べるときは、業者は根拠を明らかにする必要がある
④ 賃貸借契約やテナント情報の取扱いは、契約書の特約欄で整理しておく

レインズ登録と、その証明書を受け取ること

専任型では、業者は指定流通機構に物件を登録し、登録したときは遅滞なく登録を証する書面を依頼者に交付しなければならないとされています。(出典:宅地建物取引業法第34条の2第5項・第6項、第50条の6)この書面は、売却情報が業界内に流通しているかを売主が確かめる手がかりになります。

報告の「頻度」と「中身」は別の話

法定の報告頻度は前掲のとおりですが、報告に何を書くかまでは細かく定められていません。標準約款では、報告方法として文書または電子メールのいずれかを選んで記入するとされています。事業用では、問い合わせ件数より買主候補の属性や価格への反応といった定性情報が判断に効くため、締結時に報告してほしい項目を伝えておく方法が考えられます。

区分店舗・店舗付き住宅・築古ビル特有の確認事項

区分店舗や区分事務所では管理規約上の用途制限、店舗付き住宅では住宅部分と店舗部分の按分、築古ビルでは検査済証の有無や現行法令との適合状況が論点になりやすい傾向があります。これらは契約不適合責任の範囲にも関わるため、どこまでを売主が調査・開示するのかを媒介契約の段階で整理しておくと紛争リスクを下げやすくなります。責任分担の線引きは弁護士の助言を受けたいところであり、建物部分の按分は消費税に直結するため税理士の関与も早めに検討したい部分です。

報酬(仲介手数料)の上限と、支払うタイミング

ポイントは4個:
① 報酬の上限は国土交通省の告示で定められており、その範囲内で協議して決める
② 売買価額400万円超は「価額×3%+6万円(+消費税)」が速算式として使われる
③ 800万円以下の宅地・建物には税込33万円を上限とする特例がある
④ 報酬は原則として成功報酬であり、受領時期にも約款上の定めがある

上限額の考え方

売買の媒介で業者が依頼者の一方から受けられる報酬の額は、売買代金を区分し、それぞれの割合を乗じて合計した金額以内とされています。実務では、売買価額400万円超で「売買価額×3%+6万円(+消費税)」という速算式が用いられます。(出典:国土交通省「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」昭和45年建設省告示第1552号)

また、令和6年6月21日公布・同年7月1日施行の改正(令和6年国土交通省告示第949号)により、売買代金800万円以下の宅地・建物の媒介では、依頼者の一方につき30万円の1.1倍、すなわち税込33万円を超えない範囲で報酬を受けられる取扱いが設けられました。適用にはあらかじめ依頼者への説明と合意が前提とされています。(出典:同告示・国土交通省。2026年9月時点の情報)

なお標準約款では、報酬の額は告示の限度額の範囲内で当事者が協議のうえ定めるとされています。上限が自動的に確定額になるわけではない点は押さえておきたい部分です。仲介手数料は譲渡費用として扱われる項目でもあるため、税務上の取扱いを税理士に確認しておくと整理しやすくなります。

成功報酬が原則であること

標準約款では、業者の媒介によって売買契約が成立したときに報酬を請求でき、宅地建物取引業法第37条に定める書面を交付した後でなければ受領できないとされています。さらに、融資の不成立を解除条件として契約が締結され、その不成立が確定した場合などには、受領した報酬の全額を遅滞なく返還すべきことも規定されています。(出典:前掲・標準媒介契約約款 専任媒介契約約款第8条・第9条)

「特別に依頼した広告費」の扱い

標準約款には、売主が特別に依頼した広告の料金や遠隔地への出張旅費は売主の負担とし、業者の請求に基づいて実費を支払うという条項があります。(出典:前掲・標準媒介契約約款 専任媒介契約約款第10条)逆に言えば、通常の売却活動に伴う費用は報酬に含まれるという整理です。「特別な依頼」の範囲は解釈の幅があるため、事前に範囲と概算額を書面で確認しておくとトラブルを避けやすく、金額が大きくなる見込みであれば弁護士に条項の妥当性を確認する選択肢もあります。

途中でやめたくなったとき──違約金・費用償還・直接取引

ポイントは3個:
① 専任型で他社に依頼して成約させた場合、約定報酬額相当の違約金を請求され得る
② 費用償還を請求される場面があり、その額は約定報酬額を超えられない
③ 契約満了後2年以内に業者を排除して直接取引をした場合の定めがある

違約金の条項

標準約款では、専任媒介契約の有効期間内に売主が他の業者に媒介や代理を依頼し、それによって売買契約を成立させたときは、業者は約定報酬額に相当する金額(消費税額等に相当する額を除く)を違約金として請求できるとされています。専属専任媒介では、自ら見つけた相手と契約した場合にも同様の定めが置かれています。(出典:前掲・標準媒介契約約款 専任媒介契約約款第12条、専属専任媒介契約約款第12条)

費用償還と、その上限

専任媒介では、有効期間内に売主が自ら発見した相手と契約したとき、または業者の責めに帰することができない事由で媒介契約が解除されたときに、業者は契約の履行のために要した費用の償還を請求できるとされています。ただし、その額は約定報酬額を超えることはできないと明記されています。(出典:前掲・標準媒介契約約款 専任媒介契約約款第14条)

満了後2年以内の直接取引

媒介契約の有効期間内または満了後2年以内に、売主が業者の紹介によって知った相手方と、その業者を排除して売買契約を締結した場合、業者は契約の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求できるとされています。(出典:前掲・標準媒介契約約款 専任媒介契約約款第11条)契約が終われば白紙になるとは限らない点は誤解が生じやすい部分です。請求を受けた場合の対応は事実関係に左右されるため、弁護士への相談が目安となります。

媒介契約を結ぶまでの進め方

ポイントは3個:
① 売却理由と希望時期を先に言語化してから、契約型式を選ぶ
② 価額の根拠説明を受け、手取り額の見通しを税理士と確認する
③ 空欄・特約欄・報酬欄を埋めた状態で読み合わせてから署名する
  • STEP1|売却の目的と時期を整理する
    入替えか、事業の縮小か、相続に備えた整理かで優先すべき条件が変わります。期限が明確なほど契約型式も選びやすくなります。
  • STEP2|資料を揃える
    登記事項証明書、公図、賃貸借契約書、レントロール、修繕履歴、管理規約などが一般的です。事業用では賃貸借の条件が価格評価に直結します。
  • STEP3|価額について根拠の説明を受ける
    業者が価額について意見を述べるときは根拠を明らかにしなければならないとされています(宅地建物取引業法第34条の2第2項)。比較対象や算定方法まで確認します。
  • STEP4|税負担と手取りの見通しを立てる
    譲渡所得や消費税の扱いは所有形態や所有期間で変わるため、税理士に事前試算を依頼すると交渉の下限を持って臨みやすくなります。
  • STEP5|契約型式と期間を決める
    専任型でも期間は3ヶ月以内で、更新には売主からの申し出が必要とされています。最初から長期で拘束される設計ではありません。
  • STEP6|空欄を埋めた状態で読み合わせる
    報酬額、報告方法と頻度、レインズ登録の期限、特約事項の各欄が埋まっているか確認します。疑問が残る条項は弁護士に確認してから署名する流れが安全です。
  • 媒介契約と並行して確認したい税務・法務の論点

    ポイントは3個:
    ① 事業用建物の譲渡は消費税の課税対象となり得るが、土地の譲渡は非課税とされている
    ② 譲渡所得は所有期間により長期・短期に区分され、税額の計算方法が異なる
    ③ 不動産の譲渡に関する契約書には印紙税の軽減措置が設けられている

    消費税の課税・非課税

    消費税の課税対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等のうち非課税取引以外のものとされ、事業に使用していた建物や店舗賃貸用の建物を売却した場合も課税の対象になるとされています。(出典:国税庁 タックスアンサー No.3240 個人が事業用建物等を譲渡した場合の消費税)一方、土地の譲渡および貸付けは非課税取引に位置づけられています。(出典:国税庁 タックスアンサー No.6201 非課税となる取引)

    土地と建物を一括で売買する場合、価額の区分方法が消費税額に影響します。納税義務の有無や経理処理でも結果が変わるため(出典:国税庁 タックスアンサー No.6931 消費税等と譲渡所得)、契約書の記載方法を決める前に税理士へ相談しておくことが目安となります。

    譲渡所得と印紙税

    土地建物等の譲渡所得は、譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるものを長期、5年以下のものを短期として区分されます。(出典:国税庁 タックスアンサー No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税))税額の計算方法はそれぞれ定められており、長期は所得税15%・住民税5%、短期は所得税30%・住民税9%を基礎に、復興特別所得税をあわせて申告・納付することとされています。(出典:国税庁 No.3208 長期譲渡所得の税額の計算/国税庁 No.3211 短期譲渡所得の税額の計算)

    また、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作成される不動産の譲渡に関する契約書のうち、記載金額が10万円を超えるものは印紙税の軽減措置の対象とされています。(出典:国税庁 タックスアンサー No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置)具体的な税額や適用可否は個別事情で変わるため、税務署または税理士に確認してください。

    【税務・法務に関する専門家相談のご案内】

    税理士(不動産投資・不動産税務に詳しい方)
    売却前の手取り額シミュレーション、土地と建物の価額区分、消費税の納税義務の判定、譲渡所得の計算と申告、法人所有か個人所有かによる違いの整理など。媒介契約を結ぶ前の相談が目安です。

    弁護士(不動産・事業用取引に詳しい方)
    標準約款と異なる特約の妥当性、契約不適合責任の範囲設定、賃貸借契約の承継、違約金や費用償還を請求されたときの対応、解除を検討する場面での法的整理など。署名前の確認が目安です。

    建築士
    築古ビルや店舗付き住宅における現行法令への適合状況の確認、検査済証がない場合の整理、建物状況の把握と開示方針の検討など。買主側の調査より前に把握しておきたい部分です。

    設備業者
    空調・給排水・電気設備の劣化状況の把握、引渡し前に是正すべき範囲と概算費用の見積り、テナント入居中の工事可否の確認など。修繕の要否は価格交渉の争点になりがちです。

    よくある質問(FAQ)

    ポイントは2個:
    ① 制度上の答えが決まっている論点と、個別事情で変わる論点を分けて考える
    ② 金額や責任範囲に関わる質問は、税理士・弁護士への確認とあわせて検討する
    Q1. 媒介契約書を受け取っていないのですが、問題はありますか。
    媒介契約を締結したときは、遅滞なく法定事項を記載した書面を作成し依頼者に交付することが業者の義務とされています(宅地建物取引業法第34条の2)。交付がない場合は理由を確認し、迷うときは弁護士へご相談ください。
    Q2. 専任媒介の期間を6ヶ月にしたいと言われました。可能ですか。
    専任媒介契約の有効期間は3ヶ月を超えることができず、これより長い期間を定めたときはその期間は3ヶ月とされています(同法第34条の2第3項)。更新は依頼者の申出により可能ですが、更新後も3ヶ月が上限です。
    Q3. 一般媒介ならレインズに載らないのですか。
    一般媒介では登録が法律上の義務とはされていませんが、標準約款では登録する場合に契約書へ記載し、その指定流通機構に登録すると定められています。登録の有無は契約書の該当欄で確認できます。
    Q4. 報告が来ないまま1ヶ月が過ぎました。どうすればよいですか。
    専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上の報告が定められています。まず契約書の方法と頻度を確認し、書面やメールで報告を求めるのが一般的です。改善がない場合の解除の可否は、弁護士に相談したうえで判断する流れが目安です。
    Q5. 仲介手数料は必ず上限額になるのですか。
    告示が定めるのは上限であり、標準約款では限度額の範囲内で当事者が協議のうえ定めるとされています。金額と支払時期は契約書の報酬欄に記載されるため、締結前に確認しておくとよいでしょう。
    Q6. 売買代金が800万円以下の物件でも3%+6万円で計算されますか。
    令和6年7月1日施行の改正により、800万円以下の宅地・建物の媒介では、依頼者の一方につき税込33万円を超えない範囲で報酬を受けられる取扱いが設けられています。適用には事前の説明と合意が前提とされています。
    Q7. 契約期間中に自分で買主を見つけた場合はどうなりますか。
    専任媒介では自ら発見した相手方と契約できますが、業者への通知義務があり、履行に要した費用の償還を請求される場合があります。専属専任媒介では自己発見取引ができず、違約金の定めが置かれています。
    Q8. 媒介契約を途中で解除できますか。
    標準約款では、業者が誠実遂行義務に違反したときなど一定の場合に依頼者から解除できると定められています。一方、業者の責めに帰さない事由による解除は費用償還の対象となり得ます。個別の可否は事実関係によるため、弁護士へご相談ください。
    Q9. テナントが入ったままでも売却できますか。
    賃貸借契約を承継する形での売却は一般的に行われています。ただし敷金の承継や賃料改定の扱いなど整理すべき点が多いため、契約条件の設計段階で弁護士に確認し、収支への影響は税理士とあわせて検討する方法が考えられます。
    Q10. 売却で消費税を納める必要が出てくるのはどんな場合ですか。
    事業用建物の譲渡は課税対象となり得る一方、土地の譲渡は非課税とされています。実際の納税義務の有無は事業者としての要件や課税売上高の状況で判断されるため、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

    まとめ

    ポイントは3個:
    ① 媒介契約は売却プロセスと売主の負担範囲を決める文書である
    ② 法令と標準約款が最低ラインを定めており、その上の条件は交渉で決まる
    ③ 署名前に税理士・弁護士に確認しておくことで、選択肢を確保しやすくなる

    事業用不動産の売却では価格の話が先に立ちがちですが、その価格に到達できるかは、どのような契約のもとで誰がどう動くかに左右されます。報告頻度、レインズ登録の期限、報酬の額と支払時期、違約金と費用償還の条項は、いずれも売主の判断に直接関わります。

    宅地建物取引業法と標準媒介契約約款は、売主が過度に不利にならないよう最低限の枠を定めています。ただしそれは出発点であり、特約欄や報酬欄でどう合意するかは、売主の理解度によって変わります。

    締結前に契約書のドラフトを取り寄せ、税負担の見通しは税理士に、条項の意味と責任範囲は弁護士に確認する。この二段構えだけでも売却全体の見え方は変わります。まずは書面を手元に置き、一つずつ確認するところから始めてみてください。

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